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活動報告

演奏風景

■熱い「エア・コン」羽田の格納庫で歌声住民ら3000人喝采

 (1994年7月22日 日本経済新聞)
 東京の空の玄関、羽田空港で23日、全日空の格納庫などを会場にしたエアポートコンサート、通商「エア・コン」が開かれた。格納庫には地元区民ら約3000人の聴衆が集まり、ニューヨークから来たオーケストラの演奏や市民合唱団の合唱を楽しんだ。羽田空港の格納庫でのコンサートは初めて。

 コンサートは大田区在住の文化人、企業、区民らでつくる「大田まちづくり芸術支援協会」(ASCA,三浦朱門会長)が主催。地域とかけ離れがちだった空港でコンサートを開くことで、より多くの人に空港に足を運んでもらうのが狙いだ。同協会ではこれまでにも大田市場でコンサートを開催している。

 会場は飛行機5機が収納できる全日空の東京新第一格納庫で、ドック部分にあたる約23000平方メートルにステージと客席を設けた。バックにエアバスA320型機が翼を休めるなかコンサートは午後3時半からスタート。高原守さんの指揮でニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルがモーツァルトのセレナーデなどを披露したほか、ビバルディの「グローリア」ではこの日のために結成された150人編成の市民合唱団「アンデン・フリューゲル(翼によせて)」が力強い歌声を披露、盛んな拍手を浴びていた。

 参加者を弱らせたのは暑さ。冷房用のダクトで場内に冷気を送ったが、聴衆はひっきりなしにうちわをパタパタ。もっとも音楽そのものは楽しんだようで、川崎市の会社員(61)は「音響的にはちょっと悪いが、ストリングが素晴らしく一瞬暑さを忘れた」と上機嫌だった。